阿寒町におけるアイヌ施策推進法の実施状況調査（小坂田裕子）

用務

国及び地方自治体の機関及び当事者へのインタビュー

成果

釧路市では元々はアイヌ側からの要望にも関わらず、福祉を除いてアイヌ政策がなされていなかったが、アイヌ施策推進法により交付金事業についてアイヌ関連団体と協力して積極的に動くようになった。その意味で同法は、地方自治体を動かす起爆剤のような役割を果たしている。ただし、それは役所のやる気と力量によるので、地域差は出るだろう。
　アイヌ施策推進法の交付金事業については、アイヌの方々の間で意見が分かれている。交付金事業により仕事が増え、収入が増えた人たちは、当然ながら支持し、継続を願っている。その一方で、恩恵を全く受けていない人たちもいて、交付金事業をめぐってアイヌの間で格差が開いているのでは、という印象を受けた。こうした格差が分断を招かないか、危惧され、格差の解消が今後の課題と言える。