東北大学 東北アジア研究センター

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道東太平洋岸の地質基盤が支える独特な地形・気候・沿岸生態・地域産業とその地域普及活動

研究題目

道東太平洋岸の地質基盤が支える独特な地形・気候・沿岸生態・地域産業とその地域普及活動

研究領域

(D) 自然・文化遺産の保全と継承

研究内容

 北海道東部は7000万年前当時、古太平洋のまんなかに位置した海域の列島(海底火山)を起源とし、2000万年前の日本海形成まで大陸縁辺で発達したほぼ全ての日本列島とは起源が異なる特異な地域である(Yutani, Hirano et al., 2023)。当時の海底噴火起源の岩石が海岸沿いに分布し、この「固い地質」が本来海底に没するはずの現在の太平洋岸を陸化させ、特異な地形をなしている。さらに低地でありながら存在する高層型湿原、酪農の発達、アイヌ文化のチャシ(砦や祭祀場)位置、現代の港湾拠点の位置に至るまで、この独特の地質基盤の上に成り立っている。
 本共同研究では現地博物館と協力し、この環境が世界的に特異な地質に基づく地域独特のものであると位置づけ、申請者が研究を行っている北西太平洋深海底火山研究の内容(Hirano & Machida, 2022)も盛り込んだ地域普及活動を行う。地域の人々がその場所の自然の特性や社会構造を理解することで、主に地域産業や観光業において地域経済活動の効率化が期待できる。申請者は昨年度まで現地調査、旅行会社との視察を中心に本プロジェクトを進めてきた。本研究では、地質分布、チャシ分布、港湾分布、ナガコンブ漁場分布をデータベース化し、普及活動のための資料を作成し、2025年度前半に釧路市立博物館のご協力のもと、企画展開催や講演活動を展開する準備を行う。

研究期間

2023年度~2024年度

研究組織

氏名所属
平野 直人東北アジア研究センター
石川 孝織釧路市立博物館
高倉 浩樹東北アジア研究センター
辻森 樹東北アジア研究センター
PASTOR GALÁN Daniel東北アジア研究センター

共同研究報告書

2023年度