東北大学 東北アジア研究センター

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東北アジアの先史時代移行期における人類の行動変容に関する痕跡学的研究

研究題目

東北アジアの先史時代移行期における人類の行動変容に関する痕跡学的研究

研究領域

(C) 移民・物流・文化交流の動態

研究内容

 先史時代には、中期旧石器時代から後期旧石器時代、後期旧石器時代終末から新石器時代初頭(縄文時代草創期)、縄文時代晩期から弥生時代という大きく3つの移行期がある。この3つの移行期には、旧人と新人の交替、石器組成の変化と土器の出現、生業形態の変化が生じた。本研究は、石器や土器の実験痕跡学的研究により、先史時代の上記3つの画期における人類の行動変容の実態を解明することを目的とする。
 第1移行期(中期旧石器時代—後期旧石器時代)については、中国の当該期の遺跡や日本の後期旧石器時代初頭の遺跡を対象とし、旧人と新人の行動パターンの違いを把握するため、着柄痕跡や狩猟痕跡を中心に調査研究する。
 第2の移行期(後期旧石器時代—新石器時代)については、中国や日本の後期旧石器時代末から新石器時代初頭(縄文草創期)を対象とし、石器の使用痕跡を分析から土器出現期の行動変容の証拠を掴む。
 第3の移行期(縄文時代—弥生時代)については、縄文•弥生移行期の土器圧痕レプリカ調査によって、東北地方に稲作を基軸とする農耕社会が成立する過程を解明する。さらに、大陸から九州へ拡散した稲作農耕文化が東北地方で受容されていくプロセスを解明する。
 申請者たちは、今までに中国の中期旧石器時代の遺跡(シャラオソゴル)、中国の東北地方や日本の土器出現期の遺跡(桃山、桦阳、八森)と日本列島東北地方の縄文時代晩期の遺跡(前田)の石器使用痕分析や土器圧痕レプリカ調査を実施してきた。本研究により、その内容を更に発展させ、東北アジアにおける先史考古学研究を進展させる。

研究期間

2023年度~2024年度

研究組織

氏名所属
佐野 勝宏東北アジア研究センター
王 晗文学研究科
趙 娜文学研究科
林 乃如東北アジア研究センター

共同研究報告書

2023年度