東北大学 東北アジア研究センター

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更新世末から完新世初頭における環日本海の人類の移動と地域適応

研究題目

更新世末から完新世初頭における環日本海の人類の移動と地域適応

研究領域

(C) 移民・物流・文化交流の動態

研究内容

 本研究の対象地域は、環日本海の諸国である。更新世末には共通した特徴をもつ細石刃石器群が当地域に広く分布する。その一つが、湧別技法・札滑型の細石刃核をもつグループである。二つ目は、広郷型細石刃核をもつグループである。それらの石器群は広域を移動そしていたことが、黒曜石産地分析や考古学的技術分析の結果から推定されている。石器には長距離移動に適した可搬性と、効率的な使用・再加工による経済性を兼ね備えたものである。完新世の初頭になると、各地で独自の地域適応がなされるが、移動・居住形態も大きく変化する。その変化の一つが土器の利用である。そして、石器の技術組織も変化するため、出土遺物の特徴に大きな差異が生じている。
 申請者らは、これらを対象に、ロシア沿海州、北海道、本州の諸遺跡を分析してきた。本研究ではさらに、中国東北地方や韓国における分析事例を追加することで、各地域を代表する事例から、歴史的動向を詳細に物語ることが可能である。そのため、本年度は中国の諸大学の研究者と共同で、中国東北地方(黒龍江省、吉林省)を対象に実践的な研究を実施する。特に遺跡の年代や道具の製作技術と機能の解明に焦点を置き、分析を実施する。

研究期間

2023年度~2024年度

研究組織

氏名所属
鹿又 喜隆文学研究科
崔 笑宇文学研究科
パク へジョン文学研究科
鄧 聰山東大学