東北大学 東北アジア研究センター

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朝鮮半島の陸産貝類から見た長期的安定性と生物多様性

研究題目

朝鮮半島の陸産貝類から見た長期的安定性と生物多様性

研究内容

  東北アジア地域は温帯域では世界で最も高い生物の種多様性を擁するホットスポットで ある。その高い種多様性が創出・維持されてきたメカニズムを解明することは進化生態学 において主要なテーマの一つである。
 東北アジア地域の中で朝鮮半島は氷河に覆われることや海面上昇により海没することも なく、長期にわたり安定して陸棲生物のハビタットたり得た稀な地域であると言える。こ の地質学的スパンでの安定環境がどのような生物多様性パターンを創出したのか、また周 囲の地域での生物多様性にどのような影響を与えたのか、これらの点に関しては残念なが らわかっていないことが多い。これは、朝鮮半島の生物に関する分子系統学的研究が分散 能力の高い生物ばかりを主に扱ってきたために、環境安定性の影響を検出する能力が低か ったことに起因すると考えられる。そこで本共同研究では、分散能力の低い土壌動物であ る陸産貝類に着目することで、環境の長期的安定性と生物多様性パターンの関係性につい て検証を行うことを目的とする。
 本研究では東北アジア地域に広く分布するナンバンマイマイ科オオベソマイマイ属の種 類をモデル系とする。属する陸産貝類種の系統を網羅的に調査し、どのような系統が分布 しているかに関して地域カテゴリー(朝鮮半島と日本を含めたその周辺地域)間でパター ン比較を行うことで、長期安定環境が種多様性を増加したのかなど安定性と生物多様性パ ターンについて議論する。

研究期間

2022年度~2022年度

研究組織

氏名所属
千葉聡東北アジア研究センター
Yongsu Kim韓国国立植物園生物資源研究部
木村一貴東北アジア研究センター

共同研究報告書

2022年度