東北大学 東北アジア研究センター

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東北大学狩野文庫所蔵朝鮮通信使関係資料の基礎的研究

研究題目

東北大学狩野文庫所蔵朝鮮通信使関係資料の基礎的研究

研究内容

本共同研究では、東北大学附属図書館狩野文庫所蔵の朝鮮通信使関係資料を悉く調査し、通信使と日本儒者との筆談唱和の実態や、通信使と日本儒学者の関係などについて考察する。

狩野文庫は明治後半の思想家・教育者狩野亨吉の108,000点に及ぶ旧蔵書であり、文学・思想・歴史・教育・天文学などあらゆる分野に及ぶ「古典の百科、江戸学の宝庫」として世界的にも知られた資料群である。 そのうち、朝鮮通信使関係の記録や筆談唱和集なども数多く所蔵されている。残念なことに、これまでの日朝関係史研究では、オープンアクセス化が進んでいる内閣文庫(現国立公文書館)や韓国国立中央図書館 などに所蔵される史料が多用され、狩野文庫所蔵史料の活用がほぼ皆無と言ってもよいほどである。 一例を挙げると、狩野文庫に1607年から1764年にかけて計11回通信使来聘に関わる内容を網羅的に記録した『朝鮮通信総録』(10冊)がある。この『朝鮮通信総録』はそもそも学界からの注目が少ない上に、 基本的な書誌情報や各版本の食い違いについての検討が非常に不足しているゆえまだ十分に活用されていない。

そこで、本共同研究では、狩野文庫に所蔵されている朝鮮通信使関係の史料を整理し、日本や韓国さらに世界各地に所蔵されているものと比較し、書誌的な情報を究明する上で、通信使と日本の儒者との筆談唱和 などについて系統的に考察を進める。また、これらの資料を通じて、林家や新井白石を始め、通信使と儒学者の関係についても考察する。こうした多面的な文書活用によって、近世日朝関係史や東アジア国際関係史 のみならず、東アジア思想史などにおける新知見の獲得を期待している。

なお、本共同研究は、最初に3年計画で遂行し、その後内容の見直して経た上で発展的に継続する予定である。

研究期間

2021年度~2024年度

研究組織

氏名所属
程 永超東北アジア研究センター
片岡 龍東北大学大学院文学研究科
池内 敏名古屋大学人文学研究科

共同研究報告書

2022年度

2023年度