東北大学 東北アジア研究センター

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『東北アジア研究』シリーズ(和文)

東北アジア研究シリーズ(和文)


塩谷昌史編
『帝国の貿易 18-19世紀におけるユーラシアの流通とキャフタ』(2009)

2007年3月にセンターでシンポジウム「帝国の貿易」を開催したが、この冊子はシンポジウムの報告書である。シンポジウムでは、シベリア商人と山西商人の観点から、18~19世紀にキャフタで行われた露清貿易を報告していただいた。キャフタ貿易はロシアと中国の辺境地で行われた貿易なので、研究対象となることは稀だが、ロシアのアジア貿易では無視できない対象である。ロシア史・モンゴル史・中国史の研究者を招聘し、トランスナショナルな議論を行った。

岡洋樹編
『内なる他者=周辺民族の自己認識のなかの「中国」―モンゴルと華南の視座から―』(2009)

2007年3月10日、東北アジア研究センターが開催したシンポジウム「内なる他者=周辺民族の自己認識のなかの『中国』――モンゴルと華南の視座から」の報告論文集。シンポジウムにおける6件の報告論文と2件のコメントを収録する。中国の少数民族について、華南のタイ・ミャオ・リーの三民族、北方のモンゴルを取り上げ、それぞれの歴史的文脈や現在の存在様態、研究上の課題について多面的に論じる。またコメントでは、台湾の漢人のアイデンティティーやモンゴル民族史理解の方法に関する議論が提示されている。

高倉浩樹編
地域分析と技術移転の接点:「はまる」「みる」「うごかす」視点と地域理解(2008)

2007年11月に開催された同名のシンポジウムの報告集。地域研究コンソーシアムとの共催。地域研究の方法と思想に関わる問題を、研究者の地域との関わりとディシプリンの観点から検討。「はまる」「みる」「うごかす」という立場めぐって、人類学・政治学・津波工学・開発経済学・国際人権論の研究者が討議した記録。

明日香壽川編
「地域協力から見えてくる地球温暖化」(2007)

地球温暖化問題は国際交渉で活発に議論されているが、実際に温室効果ガスを削減する、あるいは、顕著になりつつある温暖化の影響に適応するときは、地域が主役になる。2006年3月に開催された本シンポジウムでは、アジアのエネルギー・環境問題の専門家(今井千朗、小宮山諒一、張興和)をスピーカーに呼び、「地域構造に即した視点から地球温暖化を見てみるとどのように見えてくるのか」「日中協力として具体的に何ができるか」などについて議論した。

寺山恭輔編
「開国以前の日露関係(東北アジア地域研究シンポジウム(2005年3月開催)報告集)」(2006)

2005年3月に開催された同名のシンポジウムでの報告(平川新、松本英治、有泉和子、森永貴子)、コメント(秋月俊幸、和田春樹、菊池勇夫)、全体討論、追加論文(菊池勇夫、寺山恭輔)をまとめたもの。国交のない時代に主として漂流民を媒介に日露両国が相手国とどのように対峙していたのかについて、日本史とロシア史の専門家が一堂に会して検討を加えた。18世紀末から19世紀初頭(特にレザーノフ使節団来日時)にかけての短期間について、日本語、ロシア語の一次史料に基づいた濃密な議論が展開され、これまでの研究水準を一挙に引き上げた。

瀬川昌久編
「「中国研究」の可能性と課題」(2005)

2004年3月に行われた東北アジア研究センターシンポジウムの報告・コメントに若干の手を入れてまとめ直したもの。従来の日本の中国研究は、ともすると中国理解をその自己完結的な目的とする傾向が強く、その意味では「地域研究」一般の中にうまく位置づけられてこなかった。そこで、中国という対象を相対化することにより、地域研究としての新たな中国研究をうち立てることを目指し、特に今回の企画では「環境」と「民族」をテーマとして学際的な分析の切り口を探った。

岡・高倉・上野編
東北アジアにおける民族と政治

2003年3月に開催された題目と同名のシンポジウム報告集。主としてロシア・モンゴル・中国における民族と政治に関わる諸問題を、歴史的経緯、異民族統治、地域研究の政治的側面などを鍵として分析。基調講演「近代東北アジア地域における経済統合の問題」の他、第一部「東北アジア研究における政治と学術」、第二部「北アジア牧畜民における<遊動・遊牧>概念と近代国家」、第三部「東北アジア史における国家と民族」、として合計12の論考が所収されている。

岡洋樹・高倉浩樹編
『東北アジア地域論の可能性 歴史学・言語学・人類学・政治経済学からの視座』
東北アジア研究シリーズ(4)、2002年

2002年3月に開催された同名のシンポジウム報告集。東北アジア地域概念と地域研究の可能性を論じる。和田春樹氏による基調講演「日本の地域主義――過去と現在」、モンゴル史・中国史・ロシア経済史・社会人類学の立場からの報告論文4本、言語学・文化人類学・モンゴル史・日本史からのコメント4本を収録する。